今後、公共空間で多様な社会実験をしたい

今、都市が面白くないと感じています。

例えば駅前の風景を見てみても、どこも大型チェーン店ばかりが並び、マス化され、類型的な街作りとなっています。それは地方へ行っても同じ。昔は都市ごとに歴史や風土に根付いた個性があったのですが、今は画一的な街ばかりになってしまいました。

公共空間の問題には、都市への集中と過疎の二面性があります。都市には公園や公開空地などの公共的な空間があるのに、様々な規制によって「使えない」というもったいなさがあります。例えば千代田区のように国の機関と区役所をまとめて合同庁舎にすれば、余剰空間が生まれ、そこで収益を生み出すことも可能です。また、市民の交流施設や育児所、魅力的な商業施設を取り込めば、市民の視点に立った使いやすく、行きたい場所となるでしょう。そうした行政のあり方や機能の見直しが迫られていると同時に、社会システムまで含めたリ・デザインが必要だと考えます。

新宿駅周辺の公共空間や施設を活用し、様々なアートイベントを開催した「新宿クリエイターズ・フェスタ」

新宿駅周辺の公共空間や施設を活用し、様々なアートイベントを開催した「新宿クリエイターズ・フェスタ」

一方で過疎の町や村には、まったく異質の問題が起きています。余剰地が増える一方で、人口減少や少子高齢化が厳しさを増しています。「地方の時代」とか「地方創生」と再三言われていますが、地方に人を集めるには、地方に移り住んだ人々が食べていけるような社会システムのリ・デザインが思いきって必要です。

地方に新しい機能を持ち込み、その地域ごとの特性を生かして地方創生につなげること。今は情報ネットワークの時代です。誰もがブログやSNSなどを通して、手軽に情報を受信し発信できます。クラウドファンディングで、不特定多数の人々から財源提供や協力を得ることもできます。そうした機能を活用して、ハードだけでなく、ソフトから地域のあり方や個性を作り出せないか。例えば農業や牧畜、林業などの体験、民泊などを活用して、新しい魅力を作り、その地域のファンを作ることが大事なのではないかと思います。

Re-Public Initiativeでは、今後、多様な社会実験をしたいと考えています。地方自治体や企業と連携し、地元住民の理解を得たうえで、公共空間で実験の現場を持ちたい。そのためには多様な視点が要るため、幅広い分野の専門家メンバーを増やしたいとも思っています。

最近は商業施設でも屋内外に広場を持つようになりました。広場は、基本的に自由なコミュニティー空間であるべきです。人々がくつろげるベンチやカフェがあり、アート展示やオープンミーティングスペースがある。そういう気持ちの良い体験型空間であるべきです。街のあちこちにそういう空間が生まれれば、人々は忙しく歩かなくなるだろうし、街に人々がもっと集まってくる。「市民が街を取り戻す」ことが、今後、社会に求められてくるのではないかと思います。

新宿駅周辺の公共空間や施設を活用し、様々なアートイベントを開催した「新宿クリエイターズ・フェスタ」

新宿駅周辺の公共空間や施設を活用し、様々なアートイベントを開催した「新宿クリエイターズ・フェスタ」

牧村真史
イベントプロデューサー / 株式会社集客創造研究所所長
博覧会や大型イベント、地域活性化プロジェクトなどの事業企画・プロデュース。三陸海の博覧会(岩手県)総合プロデューサー / 愛知万博チーフプロデューサー / 上海万博日本政府館プロデューサー / 上海世博海外顧問 / 柏崎市シティセールスアドバイザー / 新宿クリエイターズ・フェスタプロデューサー。
Authors

Related posts

Top