公共空間に大勢のクリエイターが参加できる仕組みを

公共空間について、具体的な例を1つ挙げます。

例えば公園の場合、敷地やインフラの計画など法令に基づいて整備しなければならない要素と、ベンチやごみ箱、手すり、街灯といった、必要な機能を充たせば自由にデザインできる要素とに分けることができます。前者は行政や大企業が、後者は利用者である市民とベンチャー企業やクリエイターが連携して行うように役割分担してみるのはどうでしょう。

こうした仕組みは、スマートフォンのOSとアプリケーションの関係に似ています。共通のルールを定め、プログラマーやクリエイターが自由に参加できるプラットフォームを設けることで、スマートフォンはその価値を高めてきました。公共空間でも同様のことが可能なのです。

また、あまり話題になっていませんが、2011年の地方分権一括法の施行に伴って都市公園法が改正され、これまで国が定めていた公園の設置に係る技術的基準を各地方公共団体が条例で定められるようになりました。ただし国土交通省から「参酌すべき基準」が示されたため、実際には各地方公共団体の条例改正はほぼ横並びとなっているのですが、その内容はこれまでの規制を大幅に緩和する画期的なものとなりました。

緑が美しい富岩運河環水公園にある「スターバックスコーヒー」

緑が美しい富岩運河環水公園にある「スターバックスコーヒー」

特に、公園内に設置できる建築物の建ぺい率が2%から12%へと大幅に増加されたことは、極めて大きな影響力を持つと言えます。このほかにも指定管理者など、都市公園をより魅力ある場所にするための制度整備はずいぶんと進んできています。都市公園の中にカフェやバー、保育園、図書館、野外映画館などを設けることがすでに可能となっているのです。

公園の価値が高まれば利用者が増え、近隣住民との交流が深まり、また普段から利用することで災害時の避難施設としても機能しやすくなります。Re-Public Initiativの活動を通じて、こうした取り組みを自治体や企業とともに行い、社会の価値観を少しでも変えていけることを願っています。

石川勝
株式会社シンク・コミュニケーションズ代表取締役 / 東京大学IRT研究機構特任研究員
経産省デジタルコンテンツEXPO エグセクティブプロデューサー / 経産省技術戦略マップ(コンテンツ分野)委員 / 上海万博日本政府館ロボット出展事業 実行委員長 / 愛知万博チーフプロデューサー補佐 / 愛・地球広場・ロボットプロジェクトプロデューサー。
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