これから目指すべき公共空間はCommon空間

人口減少が社会問題となっていますが、この流れはしばらく変わりません。

そこで大切となるのは、人口が減っていく社会をいかに魅力あるものにつくり替えるかだと思います。人口が減少していくと1人あたりの都市空間占有率は増えるわけですから、空きビルや空き家などの非利用空間を上手く活用すれば、都市での生活の質を大きく高めることができます。

しかし、こうしたことを実際に行うのはとても難しいことです。例えば、空き家については今年2月に特別措置法が施行されましたが、それでも行政が個人資産に手を出すことにはさまざまな制約があり、簡単には進められません。社会の仕組みを変えるためには何かもっと大きな、社会全体の意志のようなものが必要になると考えています。

そこで注目したいのが、公共空間を市民の「共有物」とする考え方です。早稲田大学の斎藤純一教授は、公共性をOfficial、Open、Commonの3つのタイプに分析しました。この考え方に沿えば、公共空間は国や自治体が所有するOfficial空間と、管理者の許可の下で利用が許されているOpen空間と、もともと市民全員で共有するCommon空間とに分けられます。

成熟した先進国としてこれから日本が目指すべきは、公共空間をCommon空間として市民自らがつくり、管理する力を備えることだと私は考えます。そのために、まずはこれまでの行政にまかせきりの姿勢を改め、身近な場所から多彩な価値観が共存できる公共空間づくりを、市民自らの手で行う意志を示すことから始めればいいと思います。

「地球は共有地」というメッセージの下、「グローバルコモン」と名づけられた愛知万博の国際パビリオン群

「地球は共有地」というメッセージの下、「グローバルコモン」と名づけられた愛知万博の国際パビリオン群

石川勝
株式会社シンク・コミュニケーションズ代表取締役 / 東京大学IRT研究機構特任研究員
経産省デジタルコンテンツEXPO エグセクティブプロデューサー / 経産省技術戦略マップ(コンテンツ分野)委員 / 上海万博日本政府館ロボット出展事業 実行委員長 / 愛知万博チーフプロデューサー補佐 / 愛・地球広場・ロボットプロジェクトプロデューサー。
Authors

Related posts

Top